UAEにおける教育の歴史

本日は、UAEの初等教育又は中等教育について紹介したいと思います。

まず、UAEにおける教育制度の原点は1900年代にさかのぼります。シャルジャやドバイなどにつくられた「カタ―ティブ」と呼ばれる寺子屋式の施設で、ごく限られた子供たちに対してのみ、アラビア語やコーランなどが教えられていました。

その後、有力者や商人の資材投入により、アブダビの「ビンカラフ」やドバイの「アル-アハマディーヤ」やシャルジャの「アル-エスラーハ」などの多面的教育を行う学校が誕生してきます。これが1930年代辺りのことです。これらの施設は現在、ドバイ博物館、シャルジャ文化遺産博物館となり、当時の様子を模した蝉人形とともに、一般公開されています。

1950年代以降になると、クウェートやエジプトからも教師陣を迎え、カリキュラムに基づく正式な教育をスタートさせました。

 

UAEの教育制度

外国人が人口の8割を超えるUAEでは様々なカリキュラムを提供する学校があり、世界レベルの教育が構築されています。

UAE国民が国公立の学校に通う場合、幼稚園から大学まで無料で教育が受けられます！

また、国民でなくても成績次第でUAEの学校に入学することが可能で、私立学校でも世界中から集まる子供達のために、様々なカリキュラムを用意しています。

 

UAEと日本の初等教育において大きく異なる特徴の1つに、UAEの教育の根底にイスラムがあることがあげられます。公立学校では小学校1年生から高校を卒業するまでほぼ毎日イスラム教の授業があります。また、コーランの暗記コンテストのようなものもあり、優秀者への景品はapple社のアイパッドや、デジタルカメラなどだそうです。(UAE人談)

また、非常に英語教育が盛んであることも特徴といえます。UAEでは、超多民族国家という社会的背景もあり、英語教育に力を注いでいて、小学校1年生からほぼ毎日英語の授業があります。また、英語だけではなく、グローバルな考え方や知識の習得も必要であるとの見方から、社会科見学や休暇中の課外活動の実施も数多く用意されています。余談ではありますが、ドバイ世界貿易センターで毎年開催されているGITEXと呼ばれる世界の最先端テクノロジーを集めた展示会を訪問した際、女子高校生たちが教師とともに校外学習に来ているのを見て、UAEの学生の興味関心意欲を湧き立たせる教育の在り方に深く感動いたしました。

 

 

教育を国家の最重要項目に据えるUAEの学校教育

UAE教育制度の特徴の1つに、絶えず発信される教育改革のスピードがよくあげられます。政府が発表する教育理念は、国際的市場を念頭に置いた明確なもので、2018年UAE政府の国家予算に占める、教育分野への支出割合は23%にも及んでおり、教育に非常に力を入れていることがわかります。

※参照URL　https://goo.gl/Rd3jR4

国家予算に占める教育分野への支出割合は、OECD諸国では高くても7-8％、日本が6.7%（平成30年度一般会計予算）にすぎないことを考えると、これは驚異的な数字です。

 

ここがポイント！

UAEでは、日本の教育制度にも関心が高まっています。

豊富な天然資源により豊かな国が実現されている中東諸国ですが、資源の枯渇や代替エネルギーの登場に備えるため、獲得した富を様々な分野に投資することで産業の多角化を図っています。

特に教育は、未来を担う人材を育てるという意味で最も重視されている投資分野ということができるでしょう。

日本が資源も乏しく、国土も狭い中で発展を遂げた背景には、優れた教育システムが存在すると考えられていることが、こうした高い関心を産んでいる要因の1つと言われています。

今後とも、様々な角度からドバイ、UAEに関する情報を発信していきたいと思います。何かご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

この記事が気に入ったら「いいね！」をお願いします！