中東へ出張する機会ができたけど、お土産にいったい何を選べばいい？アラブの方はどんな贈り物を喜びますか？とよく質問を頂きます。国が違えば、文化も違うように、喜んでもらえるポイントも異なります。今日は、第一印象で会話が弾む、そんなお土産事情をまとめてみます。

「大きく、重たく、華やかに」

日本では、相手のことを“思うからこそ”、持ち運びや収納などの負担にならないように小さく、軽く、そして昨今の環境への動きを受けてデパートでも簡易包装の呼びかけが一般的になり、見た目もよりシンプルなっていますよね。それでこその配慮といった感じでしょうか。ただここは中東ドバイ。一般的には、包装など見た目がきらびやかで華やかなものが目を引き、容量が重たく（中身が軽いものであれば容器などで重さがあるものを選びます）大きなものが喜ばれます。その大きさ重たさが、相手を思う気持ちに繋がっているようです。

見た目の派手さも重要です。

大きいことは、いいことだ。

カラフルなことは、いいことだ。

光っていることは、いいことだ。

そういうイメージです 🙂 

 

中東で大人気の日本のお菓子といえば、ヨックモック。2012年にアブダビに進出して以降、アラブ首長国連邦だけでなく周辺国にも進出している日本発祥の洋菓子店です。様々な成功の要因が言われていますが、上記の「大きく、重たく、華やかに」このプレゼント文化をいち早く取り入れて展開したことは、ひとつ背景にあります。

 

 

プレゼントを贈りあう文化は日常茶飯事？

ドバイでパーティーと聞くと、すごくセレブリティなものをイメージをしがちですが、大掛かりなものでなくても、お誕生日パーティーや家族親戚の集いなど、ドバイに住まわれている方は、何かとみんなで集まってワイワイするのが好きです。ヨットなどでの船上パーティーもセレブの遊びというよりも、以外と一般にも浸透しています。真夏の時期以外は、比較的過ごしやすいこともあり、週末になるといたるところでキャンプファイヤーやバーベキューに集まる光景も目にします。パーティーが多いというのは、ひとつお土産文化の発展につながっているのかもしれませんね。お祝い事だから、ご家族へのご挨拶だから、お宅にお邪魔するから、お土産を準備しよう。このあたりの感覚は、日本と変わらないものがあるように思います。

 

 

実際どんなものが喜ばれる？

せっかくの機会ですから、大前提として‘日本ブランド・日本製品・Made in Japan’を選びたいものですよね。手軽なものですと、お菓子。甘いものを好む現地の方ですが、日本のお菓子の甘すぎず丁寧に作りこまれた優しい味に魅了される方も多いようです。先にあげたヨックモックの代表的な「シガール」のように‘一つひとつラッピング’されているものがおすすめです。今ですと、2020年の東京オリンピックに合わせてオリジナルパッケージを目にすることも増えました（先日、とあるお客様が、日本から「東京ばなな」のお土産を持参されていたのですが、まさにオリンピック仕様になっていて、喜ばれていました）そういった装飾やメッセージも話が弾む要素になりそうですね。

またもしオーナーやファミリーメンバーの方に贈られる品として、日本の伝統工芸品（九谷焼、有田焼などの色彩豊かなコーヒー・ソーサ―セットや飾り絵皿、江戸切子のガラス製品など）をご準備される場合、合わせて英文の解説書などを準備できるとより良いかもしれません。

 

 

お土産を選ぶ前に、考えたいこと

プレゼント選びには、いろいろな要素が絡み合うものです。

・ご出張や商談への期待度

・相手の方との関係性

・オーナー（ファミリーメンバー）もしくは会社組織の中でどのくらいの役職の方？

・訪日経験

特にファミリービジネスの幹部級以上の方は、日本好きの方、日本に何度も自身で旅行されている方も多い印象を持ちます。日本的なものをと思い、着物や日本的な飾り物、草履・扇子などをご準備する方もいらっしゃるかもしれませんが、ご自身で購入されている、もしくはすでにプレゼントして受け取られていることも多く、初回のお土産などでは選ばないことが無難かもしれません。

・宗教

イスラム教国です。ですので、アルコール、豚肉（含む、エキス）の含有がないものを選びましょう。見た目の判断で明らかにそういったものでなくても、原材料レベルで含まれるかどうかの注意が必要になります。（例えばレーズンを使ったお菓子や、豚由来のエキスや粉末を使用したコラーゲンやプラセンタを含む化粧品など）ぜひ、成分表示、原料表示などを確認いただければと思います。また、宗教的なモチーフ（神社仏閣、教会、観音像などのイメージ）を用いたものや、イスラム教では偶像崇拝が禁止されているので、日本人形などを贈ることも避けた方がよいかもしれませんね。

 

 

いずれにしても、贈り物は相手に気持ちを届ける一つの手段であり、嬉しいもの。送り手の思いや背景が伝えられると、よりよい交渉につながるかもしれません。

 

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