ドバイビジネス
ドバイの中に見る南アジア
ドバイと言えば、貿易。ドバイには無数のトレーディングカンパニーが所狭しと軒を連ねるデイラという商業地区があります。
ドバイと言えば金持ちが多く、人々は白無垢のガンドゥーラに身を包み、気品があり、一度笑顔を見せると綺麗に並んだ純白の歯の奥から24カラットの金歯が見える。
それがドバイに来る前に私が抱いていたドバイ像でした。
しかし実際のドバイとは、人口のうちの殆どは外国人であり、その外国人のうちの多くを南アジアの人々が占める国であります。(ドバイにおける外国人比率は約85%にも上ります)
今回はその南アジアの人々の普段着のお話です。
デイラを闊歩していると、その多くの人たちは似たような服を着ていることに気づきます。
上着は膝丈くらいまであるような長いもので、パンツは緩やかなシルエットをしています。
色は様々で、白、ベージュが多く見られますが、茶色やカーキ、黒、濃紺などがあります。
彼らはこのサルワールカミーズと呼ばれる服装で日常を過ごしているのです。
(サルワールとはズボンを意味し、カミーズはシャツを意味します)
例えばパキスタンでは、2000年以降に生まれた人は普段着としてジーンズやTシャツを普段着として着る傾向にありますが、それ以前に生まれた人は1週間の殆どは伝統服であるサルワールカミーズを着て過ごすようです。(金曜日だけは特別で、礼拝のために基本的に全ての人がサルワールカミーズを着ます。)だいたい一人6~7着持っていて、それを1週間で着まわします。襟付きのタイプからスタンドカラータイプ、刺繍が入っているものなどデザインも様々です。
寝るときも、このサルワールカミーズを着て寝ます。さらに自国内では就職面接に行くときも、この服で行くと言います。
まさに朝から晩までサルワルカミーズを着て過ごすのです。
元々パキスタンはコットンの生産で世界的に有名であり、国内生産の上質なコットンを使い、サルワールカミーズを作っているのです。楽に着られて、吸汗性に優れるコットンで作ったサルワルカミーズは、ドバイを始めとした気温の高い中東各国では、まさにうってつけの服装なのです。
また既製品もありますが、基本的にオーダーメイドです。自分の好きな素材、シルエット、刺繍でテーラリングをします。価格は安いものだと30AED(およそ1000円くらい)で手に入ります。
5歳くらいからオーダーメイドで着始めるサルワールカミーズですが、ジャケットなどを着るときもサルワールカミーズの上からジャケットを羽織ります。
オシャレですね!
私も、ゴールドスークで茶色のサルワールカミーズを購入して、休日に着ています。
締め付け感が全くなく、非常にリラックスできます。この服装でドバイクリークを遊歩していると、自国から出稼ぎに来て、一生懸命に働いている彼らをよく目にします。
彼らこそ、この国の経済を支え、ドバイを世界有数の貿易都市に押し上げているのだと改めて認識させられます。
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